感受性を大切に

最近までバタバタと、なんとなく慌ただしい生活をしていました。「忙しい、とは心を亡くす」とは言いますが本当にそう。ふと自分がいろいろなことに『雑』になっていて、小さな感覚を大切にしていないことに気付きました。自分のからだの「小さな変化」、実はここにとても大事なメッセージが含まれていることが多いように感じます。そういった感覚は、もしかしたら女性の方が得意です。長い間、月経を経験しているので、目には見えない小さな身体の変化にも敏感なんです。私の好きな茨木のり子さんの、こんな詩をご紹介します。


     自分の感受性くらい

    

        ぱさぱさに乾いてゆく心を
    ひとのせいにはするな
    みずから水やりを怠っておいて

    気難しくなってきたのを
    友人のせいにはするな
    しなやかさを失ったのはどちらなのか

    苛立つのを
    近親のせいにはするな
    なにもかも下手だったのはわたくし

    初心消えかかるのを
    暮らしのせいにはするな
    そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

    駄目なことの一切を
    時代のせいにはするな
    わずかに光る尊厳の放棄

    自分の感受性くらい
    自分で守れ
    ばかものよ